ナイロン鞭をパラフィンワックスに浸すワックス・フィニッシュは業界では既に有名で多くの人達が実践してます。
私も以前やりましたが、当時はその仕上がりに満足出来ず、自分の中では「無し」にしてました。
今回はワックス・フィニッシュのメリット、デメリット、処理の難しさなど、自分が改めて学び直す事を目的にして再トライしました。
今回の記事も視点は全て私の主観であり好みです。偏見と言っても良いと思います。
ワックス・フィニッシュや、それに準じたアイディアを否定する事が目的ではありませんのでご理解お願いしますね。
まずワックスフィニッシュのメリット、デメリット
メリット
・適度な硬さや弾力を得られる
・適度な重量を得られる
・スムーズなカーブを得られる
・編み目、特にストランド・ドロップの緩みや抜けを防げる
・しっとりとした見た目と手触りを得られる
・耐水加工が施される
鞭をパラフィンワックスに漬ける事でパラコードの繊維収縮を防ぎ、適度な重量を得られます。更にストランド表面に適度なグリップと滑りが施されるので鞭のカーブはスムーズになります。
極端に例えるとワックス処理の有無は、自転車のオイル切れしたチェーンと、ベルトドライブぐらいの違いがあると思います。
ワックス未処理のナイロン鞭、しかもベリーを確り編んでいる場合は鞭のカーブが硬くなる事が多いです。
そしてワックス処理を施していると多少の水や汚れなら弾きます。他製品だと帆布バッグのパラフィン処理は有名ですよね。
ワックス・フィニッシュはナイロン鞭の弱点を殆ど解決するので優れた方法だと思っています。
レットケリーがそのアイディアを初めて公に教えてくれた、と私は記憶しています。
デメリット
※これは私の主観、と言うかはっきり言って好みなので必ずしもデメリットでは無いと思います。・鞭がべたつく
・振っている内にパラフィンが削れて粉を吹く
・気温が下がると鞭が硬くなる
屋内外問わずですが鞭を振る時、鞭は必ず地面を擦ります。
鞭表面がべたつくと埃や土、砂利などを拾ってしまい、かつ落としづらいです。払い落とせる程度の汚れなら良いんですが確り食いついた汚れは落としづらいです。
革の鞭でもオイルやクリームを塗っているので同じ事なんですが、オイルやクリームだと汚れを一緒に拭き取れる一方で、パラフィンワックスはそのグリップ力の良さが相まって汚れ落としと言う意味ではちょっと苦労します。
そして独特の触り心地。私はあのギシギシ感がちょっと苦手です。
そして気温の変化で鞭が硬くなってしまう事。
冬は気温が下がります。北海道だとマイナス気温は当たり前です。
私は冬でも外練習がメインですが、マイナス気温だとワックス処理されたナイロン鞭はかなり硬くなります。大げさではなく、棒を振ってる感覚になります。
※冬季間は、私は革の鞭は殆ど使いません。低温による革へのダメージが大きいので撮影目的でも無ければ、まず使わないです。
Satoru