パラコードは革と違い、ストランドの幅が固定されているのでレシピ通りに編めば完璧なマッチドペアとまでは言えずとも、そこそこの精度でコピーを製作出来るはず。レシピと言っても、
・ストランドドロップの位置
・ドロップの本数
・それぞれの編み数でどれだけ編むか。
ぐらいです。
今の私の技術では、プロがやるような製作方法(2本を並べて同時に編む)で編んでもマッチドペアにはなりません。
レシピと完成品を比較しながら新しくもう1本を製作しても、製作精度に大した差は出ないんです。
(どうやって編んでも2本を比べるとちょっとずつ、ずれてる。)
今回からタークスヘッドの仕上げに木槌を使う様にしています。よりタークスヘッドを綺麗に硬く仕上げられるのですが、ソングだって最後の仕上げにローリングをするんだからこの仕上げだって、やって当然と言えば当然、なのですが今回初めて気付いたのです。
そこそこ、綺麗に出来ました。(細かい所は・・まあ仕方が無いです。)
カラーが蛍光グリーンだとやっぱり鮮やか。
もちろん室内専用なんて事は無く、泥でも砂利でもアスファルトの上でも、場所を問わず何処でも使える、その為のパラコード鞭なのです。
蛇足ですが鞭のレシピについて思うこと。
鞭のレシピはウィップメーカーの数だけあるし、プロの鞭は本当にバランスが素晴らしい。自分は最初、プロ製作の革の鞭のバランスを真似て製作していました。
ただし、これはあまり良い結果にならず自分でトライ&エラーを繰り返してオリジナルのレシピを作る事になりました。
これは革とパラコードでは根本的に質量も違うし硬さも違う、素材特性があまりに違うので単純に真似て製作しても鞭が確り走ってくれないのです。
具体的な例の一つとして、編み数のシーケンス。
例えば12本編みで何mm編んで、どのポジションで何本のストランドを落として、次の11本もしくは10本を何mm編むのか。
これは勿論ウィップメーカー達は自分のオリジナルレシピがあって、そのシーケンスと鞭のバランスを取りながら編んでいくのですが、革の鞭はストランド自体にテーパーを付けるのでパラコード鞭とは構造の発想が根本的に違うのです・・
パラコード鞭の場合はまず鞭のバランスをイメージして次に、何本編みで何mm編むか、を設計して行くのですがこれが大変。
ここで鞭のテーパー具合が決まり、鞭の特性が決まり、さらには鞭の良し悪しになってしまう事もあるので難しい。
この辺りは単独・我流で鞭を作り続けても煮詰まってしまうので、他の鞭を振ったり、いろんなウィップメーカーと情報交換を繰り返さないと鞭のクオリティをアップさせるのは難しいです。
今後も更にウィップメーカーの方から教えて頂きつつ、自分オリジナル化も進めていくのです。この過程こそが鞭作りの醍醐味かなと思います。
Satoru